株式会社NOROSHI FARM

2025/07/05 19:12

    先日、祖母の妹の好子おばぁちゃんが96歳で亡くなりました。(以下好ちゃんとします)実家とは目と鼻の先なので子供の頃はもちろん、就農してからも田んぼや畑でお世話になっていました。


通夜や葬儀でゆっくり思い出話をする機会もあまりなくここ数日気持ちがなかなか落ち着かず、ここに少し書き下ろすことにします。
 好ちゃんには内孫が5人いて、そのうちの一人が私と歳が一つしか違わない仲良しのあっくん。中学に上がるまでは毎日のように一緒に遊んでいました。

 好ちゃんは仕事の忙しい私の両親にかわって保育園に軽トラで迎えに来てくれました。いつも助手席はあっくんと私の二人乗り。(今のご時世だったら完全にアウト!笑)成長するごとに車の中が窮屈になって、小学校高学年になる頃には身体半分くらい重なり合って座ってました!

 就農してからも農業のこと教えてくれたり、天日干しのモミ返しを手伝ってくれたり、私にとっては、もうひとりのばぁちゃんみたいな存在で本当に可愛がってもらいました。


 そんな好ちゃんが残した言葉で今でも私の指針になる言葉があります。
『食べることは生きること』



 戦争を経験し、田畑で自ら作物を育て、台所で食卓を支えてきた当時85歳を超えた好ちゃんのこの言葉は、意味は深くは理解出来ずとも私の心に強く響きました。

 言葉のまんま受け取ると当たり前のことに思えるのですが、とても深い意味なんだなとこの言葉の大切さが年を重ねるごとに実感として分かってきます。

この言葉を聞くとはじめは丁寧にこだわって生きるみたいな解釈でしたが、今は必ずしもそうは思いません。もちろん食事の内容は大切なのはもちろんですが、繁忙期の今は、とてもじゃないけど丁寧な暮らしや食事からは程遠いです。



 私がほっとできるのは帰宅から就寝するまでの3時間、その入り口が妻との夕食です。心身ともに張り詰めた1日の緊張がとけて、食事と妻との会話が就寝へ向かうリズムを作ってくれます。とって大切な時間です。

この感覚も立派な『食べて』ちゃんと『生きている』ことなんだと思います。



 好ちゃんの葬儀で、お孫さんのひとりが『県外から帰ってきて、ばぁちゃんが作ってくれる里芋汁を食べると家に帰ってきたんだなとほっとした』といっていました。これにやっぱり好ちゃんは『食べることは生きること』を体現するひとだったんだと思い、すごいなとあらためて感動しました。
 
 好子ばぁちゃん、今までありがとうございました。ゆっくり休んでください。ひえばたけの田んぼは守っていくので安心してくださいね。                                        感謝。