2025/03/02 15:34
こんにちは、いつものろしファームをご愛顧いただきありがとうございます。
さて、三月になりいよいよ本格的に今年のお米づくりが始まります。2013年にお米づくりをはじめて今年で13回目の作付けです。私が農業の世界に飛び込んだ12年前と現在とでは、私自身の状況も地域を含む社会情勢も大きく変わりました。先輩農家は年を取り引退した方も多くいます。田畑でシャキシャキだった父も「体力なくなったな~」と弱音をこぼすようになりました。一方で私は、父や妻とやっていた農作業や加工品の製造はスタッフとやるようになり「家族農家」から小さいですが会社になりました。地域はもちろん対外的に関わる人も多くなり責任や役割も年々多くなってきて心身ともに鍛えられています。
毎年のように荒れ狂う天候、獣害被害、不安定な米価格・・今年の作付けにむけて問題も山積みですが、かといって春は待ってくれません。準備を整え、覚悟を決めて今年のお米作りのスタートです。みなさんにとっても農業や食の問題は理解が難しいことばかりだと思います。最近の不安をあおるような米騒動の報道を一つみても、生産現場の感覚とかけはなれたものとなっています。それは決して問題を楽観視したり、逆に深刻にとらえているという意味ではありません。つくる人、たべる人、うる人、それぞれの立場で主張したいことがあって当然です。「安定して沢山つくりたい、安く買いたい、高く売りたい」こういったそれぞれの主張の「バランス=持続可能」を考えるときがきたのだと思います。持続可能、この考え方はこの20年で随分と私たちの社会に浸透しました。私たちが持続可能を考えるとき、〇〇であるべきとか、何か答えのようなものを探しがちですが、私はそういうことではなく「持続可能」という川の流れに私たちが乗って、決して流れに逆らわず左右に舵をきってコントロールするイメージだと思います。うまく流れにのればオールを必死で漕がずともいきたい未来へ「川」が連れていってくれます。今はまるで川を逆行する鮭のようです。
このご時世、どうしてもストイックに深刻にものごとを考えがちですが、まずは肩の力を抜いて川のながれに身を任せる感覚から身に着けたいです。